
こちらの記事は、SARUTAHIKO代表の理容師・佐々木が監修しております。
M字ハゲの薄毛にお悩みの方にお役に立てましたら幸いです。
髪の生え際が両サイドから後退してM字型になってきた…そんな悩みを抱えていませんか?実はM字ハゲは男性に非常に多い薄毛のタイプで、早い人では20代から始まることもあります。この記事では、M字ハゲがなぜ起こるのか、その原因と効果的な対策方法を詳しく解説します。あなたの髪の悩みを解決するヒントがきっと見つかることでしょう。
1.M字ハゲの基礎知識

1-1.M字ハゲとは何か
M字ハゲとは、額の両サイドから髪の毛が薄くなり、額が徐々にM字型に広がっていく症状です。正式には「前頭部変退行」と呼ばれることもありますが、見た目がアルファベットの「M」に似ていることから、一般的にM字ハゲと呼ばれています。
多くの場合、おでこの生え際が左右対称に後退していきます。初期段階では気づきにくいですが、徐々に進行すると額が広くなったように感じ始めます。
M字ハゲは日本人男性の薄毛パターンとして最も一般的で、30代男性の約4割が何らかの症状を感じているというデータもあります。
1-2.発症年齢と進行パターン
M字ハゲは早い人では20代前半から始まることもありますが、多くは20代後半から30代にかけて症状が現れ始めます。ただし、個人差が大きく、10代後半から気になり始める人もいれば、40代になってから進行し始める人もいます。
進行のスピードも人によって異なります。ゆっくりと数年かけて徐々に後退していくケースもあれば、半年程度で急激に進行するケースもあります。一般的には、若い年齢で始まったM字ハゲほど進行が早い傾向があります。
1-3.M字ハゲと他のハゲタイプの違い
薄毛には様々なタイプがあります。M字ハゲの他にも、頭頂部から薄くなる「頭頂部ハゲ(O字ハゲ)」や、全体的に薄くなる「びまん性脱毛症」などがあります。
M字ハゲの特徴は、額の両サイドから後退していくことです。一方、O字ハゲは頭の上部(頭頂部)から薄くなり始めます。また、M字ハゲとO字ハゲが同時に進行するケースも少なくありません。
それぞれのタイプで原因や対策が若干異なるため、自分がどのタイプの薄毛なのかを知ることが対策の第一歩になります。

2.M字ハゲの主な原因

2-1.遺伝的要因
M字ハゲの最も大きな原因は遺伝です。お父さんやお祖父さんがM字ハゲだった場合、あなたもM字ハゲになる可能性が高まります。これは「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれる症状の一部です。
遺伝的な要素は主に、男性ホルモンの影響を受けやすい毛根を持っているかどうかによります。両親や祖父母にM字ハゲの人がいる場合、約7割の確率で同じような薄毛パターンになるといわれています。
ただし、遺伝だけですべてが決まるわけではありません。生活習慣の改善や適切なケアによって、進行を遅らせたり、改善したりすることは十分可能です。
2-2.ホルモンバランスの影響
M字ハゲの発生メカニズムには、男性ホルモンが深く関わっています。特に「ジヒドロテストステロン(DHT)」と呼ばれるホルモンが重要な役割を果たします。
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、「5αリダクターゼ」という酵素によってDHTに変換されます。このDHTが毛根に作用すると、毛髪の成長サイクルが短くなり、髪の毛が細く短くなっていきます。最終的には毛根が萎縮して髪が生えなくなります。
M字部分の毛根は特にこのDHTの影響を受けやすいため、他の部分より先に薄くなりやすいのです。
2-3.年齢との関係
加齢もM字ハゲの重要な要因です。年齢を重ねるにつれて、自然と髪の毛の生産能力は低下していきます。
20代から30代にかけては、男性ホルモンの分泌が活発になる時期です。この時期にM字ハゲが始まる人が多いのはそのためです。40代以降になると、頭皮の血行不良や毛母細胞の活性低下なども加わり、薄毛が進行しやすくなります。
若いうちからM字ハゲが始まる場合は、遺伝的要因が強く影響している可能性が高いです。30代後半以降に始まる場合は、年齢に加えて生活習慣の影響も大きいかもしれません。
2-4.生活習慣の影響
遺伝や年齢といった変えられない要因の他に、生活習慣もM字ハゲに大きく影響します。
栄養バランスの偏り:タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足すると、健康な髪の成長をサポートできなくなります。特に、亜鉛、鉄分、ビタミンB群は髪の健康に欠かせません。
睡眠不足とストレス:慢性的な睡眠不足やストレスは、ホルモンバランスを乱し、血行不良を引き起こします。その結果、頭皮の環境が悪化し、髪の成長を妨げます。
喫煙と過度の飲酒:タバコの有害物質は血管を収縮させ、頭皮の血行を悪くします。また、過度の飲酒は栄養の吸収を妨げ、髪の健康に必要な栄養素を奪ってしまいます。
間違ったヘアケア:強すぎるシャンプーの使用や、洗浄不足による頭皮の詰まり、乱暴なブラッシングなども、髪に負担をかけ、薄毛を進行させる原因になります。
3.M字ハゲの進行過程

3-1.初期症状と見分け方
M字ハゲの初期症状は、額の両サイド(こめかみ付近)から少しずつ髪の毛が後退し始めることです。この段階では多くの人が気づかないか、気にしない程度の変化です。
初期のM字ハゲを見分けるポイントは以下の通りです:
- 前髪を上げた時に、額の両サイドが少し後退している
- 生え際の髪が細く、短くなっている
- 同じ年齢の友人と比べて額が広く見える
- 昔の写真と比べて、髪の生え際が変わっている
初期段階で気づくことができれば、対策も効果的です。定期的に自分の髪をチェックする習慣をつけましょう。
3-2.進行のステージ分類
M字ハゲの進行は一般的に以下のようなステージに分けられます:
軽度(初期段階):額の両サイドがわずかに後退し始める。髪の毛は細くなり始めるが、まだ密度は保たれている。
中度(進行段階):額の両サイドの後退が明らかになり、M字の形がはっきりしてくる。髪の毛の密度も低下し、細い毛が増える。
重度(末期段階):額の両サイドが大きく後退し、深いM字型になる。頭頂部まで薄くなることも多い。残った髪の毛も非常に細く、密度が低い。
進行のスピードには個人差がありますが、早い人では数年で軽度から重度まで進むこともあります。
3-3.進行スピードに影響する要因
M字ハゲの進行スピードには、いくつかの要因が影響します:
遺伝的要素:家族に若くして重度のM字ハゲになった人がいる場合、進行が早い傾向があります。
ストレスレベル:強いストレスや不規則な生活が続くと、進行が加速することがあります。
健康状態:全身の健康状態も髪の健康に影響します。特に甲状腺の問題や貧血などは、薄毛の進行を早める可能性があります。
ケアの有無:早期からの適切なケアや治療により、進行を遅らせることができます。逆に、何も対策をしないと自然と進行します。
4.M字ハゲを改善・予防するための対策

4-1.日常的なヘアケア
適切なヘアケアはM字ハゲの予防と改善に非常に重要です。
正しいシャンプー方法:頭皮の汚れをしっかり落とすことが大切ですが、洗いすぎは逆効果です。ぬるま湯で予洗いをしてから、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。週に2〜3回は頭皮用のシャンプーを使うと効果的です。
頭皮マッサージ:1日5分程度の頭皮マッサージで血行を促進します。指の腹を使って、生え際から頭頂部に向かって円を描くように優しく押し上げましょう。入浴中や就寝前に行うと習慣になりやすいです。
適切なヘアブラシの使用:豚毛などの天然素材のブラシで、頭皮の血行を促進しながら、優しくブラッシングすることも効果的です。
4-2.生活習慣の改善
M字ハゲの進行を抑えるためには、生活習慣の見直しも重要です。
バランスの良い食事:髪の毛の主成分であるタンパク質(肉、魚、大豆製品など)、亜鉛(牡蠣、ナッツ類など)、ビオチン(卵、レバーなど)を意識的に摂りましょう。また、緑黄色野菜や果物に含まれる抗酸化物質も頭皮の健康に役立ちます。
十分な睡眠:髪の毛の成長は睡眠中に活発になります。7〜8時間の質の良い睡眠を心がけましょう。
ストレス管理:ストレスはホルモンバランスを乱し、薄毛を悪化させます。趣味や運動、瞑想などでストレスを解消する時間を作りましょう。
適度な運動:週に3回、30分程度の有酸素運動は血行を促進し、頭皮環境を改善します。ジョギングやウォーキング、水泳などがおすすめです。
4-3.医学的アプローチ
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合は、医学的なアプローチも検討しましょう。
育毛剤:ミノキシジル配合の育毛剤は、血行を促進し、毛髪の成長を助ける効果があります。継続的に使用することで、3〜6ヶ月後から効果が現れ始めることが多いです。
内服薬:医師の処方によるフィナステリドやデュタステリドなどの薬は、男性ホルモンがDHTに変換されるのを抑制します。効果が高い反面、副作用の可能性もあるため、必ず医師の指導のもとで服用しましょう。
最新治療:HARG療法やPRP療法など、毛髪再生を促す最新の治療法も開発されています。これらは専門クリニックで受けることができます。
4-4.当サロンでのM字ハゲ対策【髪型編】
当サロンでは、M字ハゲにお悩みの方に向け、自宅でも再現しやすいスタイリングをご提案しています。
カウンセリング:経験豊富なスタイリストが、なりたい髪型、現在のお悩みなどお話をお伺いし、あなたの髪質を考慮して最適な髪型をご提案します。
スタイリングアドバイス:M字ハゲを目立たなくするヘアスタイルのご提案や、自宅で再現するためのスタイリング方法もレクチャーします。
5.M字ハゲに関するよくある質問(FAQ)

M字ハゲは完全に治るのか?
完全に元通りになることは難しい場合もありますが、早期の対策で大幅な改善が見込めます。M字ハゲは進行性の症状なので、「治す」というより「進行を止める・改善する」という考え方が大切です。
特に初期〜中期段階であれば、適切なケアや治療によって毛髪の密度を増やし、見た目を改善することは十分可能です。ただし、毛根が完全に失われた部分からは新しい髪が生えにくいため、早めの対策が重要です。
生まれつきのM字ハゲと後天的なものの見分け方は?
生まれつきの前髪の形(額の形)と、後天的なM字ハゲは見分けることができます。
生まれつきの場合:
- 幼少期から額の形が同じ
- 家族写真などを見比べても変化がない
- 髪の毛自体は細くなっていない
- 毛根部分に問題がない
後天的なM字ハゲの場合:
- 以前の写真と比べて明らかに生え際が後退している
- 生え際の髪が細く短くなっている
- 抜け毛が増えている
- 頭皮が透けて見える部分がある
迷った場合は、専門家に相談するのが確実です。
M字ハゲに効果的な食べ物はある?
髪の毛の健康をサポートする栄養素を含む食品はいくつかあります。
- タンパク質(髪の主成分):鶏肉、魚、卵、大豆製品
- 亜鉛(髪の成長を促進):牡蠣、牛肉、ナッツ類、種子類
- ビオチン(髪の健康維持):卵黄、レバー、ナッツ類
- 鉄分(頭皮の血行促進):レバー、赤身肉、ほうれん草
- オメガ3脂肪酸(頭皮の炎症を抑制):青魚、亜麻仁油、クルミ
- ビタミンE(血行促進):アーモンド、ひまわり油、アボカド
これらをバランスよく摂ることで、髪の成長環境を整えることができます。ただし、食事だけでM字ハゲを治すことは難しいため、他の対策と組み合わせることが大切です。
若いうちからM字ハゲが始まった場合の対処法は?
20代前半などの若い年齢でM字ハゲが始まった場合は、遺伝的要因が強く、進行が早い可能性があります。そのため、より積極的な対策が必要です。
- 専門医への相談:皮膚科や薄毛専門クリニックで早めに相談しましょう。若年性のM字ハゲは内服薬などでの治療効果が高い傾向があります。
- 生活習慣の徹底的な見直し:睡眠、食事、運動、ストレス管理など、生活習慣全般を見直しましょう。特に睡眠不足や偏った食生活は若年層に多い問題です。
- 早期からの育毛ケア:育毛剤の使用や頭皮マッサージなど、日々のケアを習慣化しましょう。
- 定期的なモニタリング:進行状況を定期的に写真に撮るなどして記録し、効果を確認しましょう。
若いうちから始まったM字ハゲでも、早期対応で進行を大幅に遅らせることは可能です。あきらめずに継続的なケアを心がけましょう。
ヘアスタイルでM字ハゲをカバーする方法は?
M字ハゲを目立たなくするヘアスタイルには、いくつかのポイントがあります。
- 前髪を作る:全体的に髪を長めに残し、軽く前髪を作ることでM字部分をカバーできます。
- サイドを短く、トップを長めに:サイドは短めにして、トップ部分を少し長めに残すスタイルも効果的です。トップの髪で前頭部をカバーできます。
- パーマやワックスの活用:軽いパーマをかけたり、ワックスで立体感を出すことで、薄い部分を目立ちにくくできます。
- 髪の毛の流れを工夫:M字部分を避けるように髪の毛の流れを作ることで、薄さをカモフラージュできます。
当サロンのスタイリストは、M字ハゲをカバーするヘアスタイルの提案に豊富な経験があります。あなたの髪質や顔の形に合わせた、最適なスタイルをご提案します。
女性にもM字ハゲは起こるの?
女性にもM字ハゲのような生え際の後退は起こりますが、男性ほど一般的ではありません。女性の場合は、以下のような特徴があります。
- 男性のようにはっきりとしたM字型にはなりにくい
- 生え際全体が徐々に後退することが多い
- ホルモンバランスの変化(出産後や更年期など)で起こりやすい
- びまん性脱毛症(頭全体が薄くなる)の一部として現れることも
女性のM字ハゲの原因としては、男性ホルモンの影響よりも、栄養不足、ストレス、無理なダイエット、ヘアスタイルによる牽引などが関係していることが多いです。
女性の場合も早期発見・早期対策が重要です。
6.まとめ

M字ハゲ対策のポイント
M字ハゲは多くの男性が経験する一般的な症状です。主な原因は遺伝やホルモンバランスですが、生活習慣の改善や適切なケアによって、進行を遅らせたり、状態を改善したりすることは可能です。
M字ハゲ対策の重要なポイントをまとめると:
- 早期発見・早期対策:進行する前の早い段階での対応が最も効果的です
- 総合的なアプローチ:食事、睡眠、ストレス管理など生活全般の見直しが大切です
- 継続的なケア:一時的ではなく、継続的なケアが必要です
- 専門家のアドバイス:自己判断だけでなく、専門家に相談することで効果的な対策が見つかります
当サロンのM字ハゲ対策
M字ハゲは早めの対策が何よりも重要です。少しでも気になる方は、ぜひ当サロンをご利用ください。経験豊富なスタッフが、あなたの髪の悩みに真摯に向き合います。

監修者情報

記事監修 理容師 佐々木善一
SARUTAHIKO(サルタヒコ)代表
銀座高級理容室に4年勤めた後、2014年バルビエレ銀座を開業。2018年より、業界初となるフリーランス理容師を集めて運営するシェアサロンを開始。理美容業界における処遇改善や技術力・サービス力の向上に寄与する。
オーナーを務めながら、自身もトップスタイリストとして現場で活躍し続け、薄毛男性からビジネススタイル・バーバースタイルまで幅広く支持を集める。2025年、薄毛男性に対する接遇・技術力が評判を呼び、SARUTAHIKOの第一号スタイリストとして指名を受ける。同年からは、薄毛男性を対応する理美容師に向けた技術指導なども開始予定、薄毛専用理美容師の業界的な底上げに尽力する。
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